日本針路研究所

2012.10.8 討論会 日本政治の混迷の底にあるもの

講師 西川伸一さん 明治大学教授

プランB40号掲載:「ブーム政党」を考える 混迷する日本政治をみる一指針として
 政党の溶解が進行するなかで日本の政治はどうなるのか。どうしたらよいのか。『週刊金曜日』の政治コラムで健筆をふるう政治学者が語り、みんなで討論する。
 ぜひ参加しよう。

報告
 一〇月八日、文京区民センターで、NPO日本針路研究所主催の討論会「〈ブーム政党〉を考える──〈日本政治の混迷にあるもの〉に代えて」が開かれました。話題提供は、明治大学教授の西川伸一さん。参加者は八人でしたが、活発に討論しました(この報告は、本号に掲載)。
 まず、西川さんは、新自由クラブ、日本新党、みんなの党、日本維新の会などを「ブーム政党」と規定し、自民党、公明党、共産党、社民党などを「既成政党」と分類。その上で、「ブーム政党」形成の背景として、無党派層の拡大、既成政党への幻滅感、政治への閉塞感、変化への渇望感をあげ、その必須条件としては、若いカリスマ的リーダーの存在を指摘しました。イデオロギーとしては、中道右派ないし新自由主義が特徴です。 
 次に、新自由クラブから、みんなの党まで、「ブーム政党」の盛衰と政党再編の経緯を、時系列に沿って解説しました。そして、大阪維新の会から発展した日本維新の会に関しては、橋下・松井・浅田の言動、規約、そして次期総選挙に向けた動向を詳しく分析。
 質疑応答では、橋下による竹島共同管理発言、冷戦構造の終焉と政界再編の関係、新自由主義の展開と「ブーム政党」の関係、小沢一郎の評価、そして孫崎享『戦後史の正体』などをめぐって、活発に討論がなされました。
(佐藤和之/教育労働者)

2012.7.22 討論会 韓国政治情勢と市民運動の課題

講師 岡田卓己さん 韓国啓明文化大学教員

 韓国では4月11日の選挙で、ハンナラ(偉大な国)党から党名変更したセヌリ(新しい世の中)党が過半数ぎりぎりの152議席を得て、予想された与野党逆転の実現はならず、国会内の進歩陣営は混迷を深めている。労働者を基盤とする進歩新党や、選挙前に創党され脱原発を第一政策に掲げた緑の党、青年層の雇用と授業料問題を訴えた青年党は議席を獲得できなかった。
 12月には大統領選挙を控えているが、進歩陣営の活路はどこにあるのか。原発事故 九州電力玄海原発電所と釜山とは200キロ ひとつを取っても、日韓は文字通り隣接一体とも言える。その韓国政治がどうなっているのか、いっしょに考えよう!
プランB38号掲載:総選挙後の韓国政治と12月大統領選挙への展望 ──進歩・民主陣営に求められる高い〈道徳性〉

報告
 2012年7月22日、文京区民センターにおいて、NPO針路研討論会「韓国の政治情勢と市民運動の課題」が開催されました。講師は、韓国啓明文化大学教員の岡田卓己さん。12名が参加し、活発に議論しました。
 最初に岡田さんは、盧武鉉政権の5年間(2003年~2008年3月)と李明博政権の5年間(4年半2008年~2013年2月)を総括しました。その上で、最近の韓国における日本への関心を指摘。すなわち、まず原子力基本法と宇宙航空研究開発機構法の改悪です。なぜなら、日本の核武装化や宇宙の軍事化を警戒しているからです。さらに、韓日軍事情報協定が閣議決定されましたが、与野党から強い反対にあって取り下げる事態に。韓国社会は、日本に関する軍事問題に敏感です。また、ソウル日本大使館前の「慰安婦」少女像に杭が建てられた事件などが、よく報道されているそうです。
 この間の社会運動として、狂牛病に関する輸入牛肉問題を契機に、全国100万人ロウソク集会が、2008年に高揚しました。2009年「双龍自動車」の整理解雇に対するストがあり、2010年には蔚山「現代自動車」の非正規労働者が正規化を要求した工場占拠ストがありましたが、未だ問題は解決していません。そして2011年は、「韓進重工業」の解雇問題に対するキム・ジンスク指導委員による高空籠城と「希望バス」による市民の支援運動がありました。また2012年、MBC(文化放送)、KBS(韓国放送)、YTN(ニュース専門チャンネル)のマスコミ労働者による、公正報道と経営陣退陣を要求したストが発生。済州島海軍基地建設反対闘争では、江汀マウル会が10万人署名運動に入っています。
 今年4月11日の韓国国会議員選挙は、議席総数300(地域区246・比例区54)のうち、セヌリ党152(127・25)、民主統合党127(106・21)、統合進歩党13(7・6)、自由先進党5(3・2)、無所属3(3・0)という結果でした。進歩・民主陣営とみなされる民主統合党と統合進歩党は、前回選挙より議席を増やしたとはいえ、予想された与野党逆転はならず。労働者を基盤とする進歩新党(得票率1.13%)、選挙前に創党され脱原発を第一政策に掲げた緑の党(同0.48%)、青年層の雇用と授業料問題を訴えた青年党(同0.34%)は、議席を獲得できませんでした。
 今年12月に大統領選挙がありますが、セヌリ党からの候補は朴槿惠(パク・クネ)にほぼ確定しています。彼女は、1961年の朴正煕5.16軍事クーデターを「革命」として評価し、統合進歩党、民主労総、全教組を「従北勢力」と批判。他方、統合進歩党は派閥対立などの問題を抱えていますが、9月に候補者を選定する予定です。民主統合党の有力候補と目される文在寅(ムン・ジェイン)は、市民派の安哲秀(アン・チョルス) ソウル大融合科学技術大学院長との対話チャンネルを提案しています。安哲秀は昨年10月ソウル市長選で、市民派の立候補表明が朴元淳(パク・ウォンジュン)現市長と重なった際、世論調査の支持率が高かったにもかかわらず、辞退して選挙協力した人物。
 以上が、岡田さんの報告骨子です。続いて、参加者との質疑討論と交流会では、韓国労働運動と期待される「希望」運動、韓国社会における「社会主義」、韓米FTAと各政党・大統領候補の経済政策などが話題になりました。今後とも、韓国やアジアに対する理解と交流を深めていきたいと思います。
(佐藤和之/教育労働者)

2012.4.22 討論会 釈尊の教えと社会の変革

講師 曽我逸郎さん 長野県中川村村長

 〈3・11〉東日本原発震災によって、社会の新しい在り方、新しい生き方が模索されています。無縁社会を変えることは、私たち一人ひとりの生き方を変えることでもあり、心の在り方を顧みることでもあります。宗教はどういう役割を果たすことができるのでしょうか。釈迦は何を説いていたのでしょうか。
 長野県中川村の村長を務める曾我逸郎さんに、釈迦の教えと社会の変革について話していただき、質疑・討論する場をつくりました。ぜひ参加して一緒に考えよう。
プランB38号掲載:釈尊の教えと社会の変革

2012.1.29 討論会 現状と打開策──農業・税制・自衛隊

報告
TPP反対の論拠──日本農業の活路   鈴木宣弘 東京大学教授
税制をどうする──「増税反対」だけでよいのか 白川真澄 『ピープルズ・プラン』編集長
違憲合法論に踏まえた自衛隊改組の道   村岡 到 『プランB』編集長
司 会:西川伸一(明治大学教授、針路研監事)

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